まず、人口で並べてみる
World Fact Compass のデータテーブルを開いて、「国連加盟国」のボタンで国だけに絞ったら、「人口」の列見出しをクリック。多い順に並ぶと、いつもの顔ぶれが出てくる。
手順
- 世界版のデータテーブルを開き、「国連加盟国」のボタンを押す
- 「人口」の列見出しをクリックして、多い順に並べる
- 「人口」と「面積 (km²)」の列を一緒に見ておく
| 順位 | 国 | 人口 | 面積 (km²) |
|---|---|---|---|
| 1 | 🇮🇳 インド | 1,450,935,791 | 3,287,263 |
| 2 | 🇨🇳 中国 | 1,408,975,000 | 9,596,961 |
| 3 | 🇺🇸 アメリカ | 340,110,988 | 9,833,517 |
| 4 | 🇮🇩 インドネシア | 283,487,931 | 1,904,569 |
| 5 | 🇵🇰 パキスタン | 251,269,164 | 796,095 |
| 6 | 🇳🇬 ナイジェリア | 232,679,478 | 923,768 |
| 7 | 🇧🇷 ブラジル | 211,998,573 | 8,514,877 |
| 8 | 🇧🇩 バングラデシュ | 173,562,364 | 147,570 |
| 9 | 🇷🇺 ロシア | 143,533,851 | 17,098,246 |
| 10 | 🇪🇹 エチオピア | 132,059,767 | 1,104,300 |
| 12 | 🇯🇵 日本 | 123,975,371 | 377,975 |
インドと中国が14億人でずば抜けていて、3位のアメリカは3.4億人。日本は12位で約1.2億人。ここまでは、なんとなく知ってる通りだよね。
でも、面積の列をながめると、気になることがある。8位のバングラデシュは、9位のロシアより人が多いのに、面積はロシアの100分の1もない。同じ「1億人ちょっと」でも、住んでる広さがまるで違うんだ。
今度は「人口密度」で並べ替えてみる
そこで登場するのが人口密度。人口を面積で割った「1km²あたりに何人住んでいるか」という数字で、国全体で平均した「混みぐあい」を表す。データテーブルでは「人口密度 (人/km²)」の列が人口と面積から自動で算出されているから、その見出しをクリックして大きい順に並べるだけ。
すると、ランキングの顔ぶれがガラッと変わる:
| 順位 | 国 | 人口密度 (人/km²) | 人口 | 面積 (km²) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 🇲🇨 モナコ | 19,316 | 38,631 | 2 |
| 2 | 🇸🇬 シンガポール | 8,292 | 6,036,860 | 728 |
| 3 | 🇧🇭 バーレーン | 2,077 | 1,588,670 | 765 |
| 4 | 🇲🇹 マルタ | 1,800 | 568,847 | 316 |
| 5 | 🇲🇻 モルディブ | 1,771 | 527,799 | 298 |
| 6 | 🇧🇩 バングラデシュ | 1,176 | 173,562,364 | 147,570 |
| 7 | 🇧🇧 バルバドス | 657 | 282,467 | 430 |
| 8 | 🇲🇺 モーリシャス | 611 | 1,245,779 | 2,040 |
| 9 | 🇳🇷 ナウル | 569 | 11,947 | 21 |
| 10 | 🇸🇲 サンマリノ | 557 | 33,977 | 61 |
上位に並ぶのは、モナコ、シンガポール、バーレーン、マルタ、モルディブ…。人口密度の上位には、面積の小さい国が多いんだ。10か国のうち9か国は、人口も数百万人以下。
その中で目立つのが6位のバングラデシュ。人口でも8位なのに、人口密度でも6位に入っている。1億人以上の国の中では人口密度がいちばん高くて、2番目のインド (441) の約2.7倍。人口ランキングで気になった「面積の小ささ」が、ここで数字になって現れたわけ。
ちなみに、「国連加盟国」のボタンを押さずに「すべて」のまま並べると(国連加盟国ではない地域も入れると)、1位はマカオ (21,469人/km²)。香港 (6,815) やジブラルタル (6,555) も上位に入ってくる。この記事の順位には、こうした地域は入れていないよ。
発見 — 同じ国が、物差しで順位を変える
2つのランキングを見比べると、同じ国がぜんぜん違う場所に座っていることがわかる(どちらも国連加盟国193か国の中での順位):
| 国 | 人口 順位 | 人口密度 順位 | 人口密度 (人/km²) |
|---|---|---|---|
| 🇮🇳 インド | 1位 | 17位 | 441 |
| 🇨🇳 中国 | 2位 | 60位 | 147 |
| 🇺🇸 アメリカ | 3位 | 144位 | 35 |
| 🇷🇺 ロシア | 9位 | 182位 | 8.4 |
| 🇯🇵 日本 | 12位 | 25位 | 328 |
| 🇧🇩 バングラデシュ | 8位 | 6位 | 1,176 |
| 🇸🇬 シンガポール | 112位 | 2位 | 8,292 |
| 🇲🇨 モナコ | 188位 | 1位 | 19,316 |
人口1位のインドは、密度だと17位。密度1位のモナコは、人口だと188位。人口9位のロシアにいたっては、密度では193か国のうち182位。広すぎて、1km²に8人ちょっとしかいない計算になる。
なぜ、こんなに違うんだろう?
人口密度は「人口 ÷ 面積」。だから人口の多さだけでは決まらなくて、その人数がどれだけの広さに住んでいるかで決まる。人口が同じなら、面積が半分の国の密度は2倍。面積が同じなら、人口が2倍の国の密度は2倍。
- モナコは面積2km²。一辺約1.4kmの正方形くらいの広さに、3.9万人が住んでいる。人口はとても少ないのに、面積がそれ以上に小さいから密度は1位になる
- バングラデシュは面積が日本の4割くらいなのに、人口は1.7億人。人口も多いうえに面積が小さいから、大きな国の中では飛びぬけて密度が高い
- ロシアは人口1.4億人でも、面積が1,700万km²。日本の45倍の広さに、日本より少し多いくらいの人数しか住んでいない
つまり、人口ランキングは「何人いるか」だけを見ていて、人口密度ランキングは「何人いるか」と「どれだけ広いか」の組み合わせを見ている。面積の小さい国は、人口が少なくても密度の上位に入りやすく、面積の大きい国は、人口が多くても密度が低くなりやすい。どちらも「人の多さ」を測っているようで、実は見ているものが違うんだよね。
日本はどのくらい混んでる?
日本は人口12位、人口密度25位で328人/km²。上には小さな国々と、バングラデシュ (1,176)、韓国 (516)、インド (441)、オランダ (430) などが並ぶ。「日本は人口密度が高い」ってよく言われるけど、1億人以上の国どうしで比べると、バングラデシュ、インド、フィリピン (387) に次いで4番目。それでも中国 (147) の2倍以上、アメリカ (35) の9倍以上だから、大きな国の中では混んでいる方なんだ。
この数字から読み取れないこと
- 実際の混みぐあい: 人口密度は、国全体の人口を国全体の面積で割った平均。大都市に人が集まっているか、山や砂漠のように人がほとんど住まない場所がどれだけあるかはわからない。国全体の平均が328人/km²でも、東京の駅前と山あいの村では混みぐあいがまったく違う
- 面積の決まり: 面積は RestCountries の値をもとにしていて、湖や川などの内水面を含むかどうかなど、国によって決まりが少し違う。小さな国ほど、面積の小さな違いで密度が大きく動く
- 年のずれ: 人口は2024年の値。面積の値がいつの時点のものかは、資料によって異なる
- 「国」の範囲: 順位は国連加盟国193か国の中で数えた。マカオや香港などの地域を入れると、順位は変わる
さらに比べてみよう
逆に、密度ランキングの一番下を見ると、また別の景色が見える:
- モンゴル: 2.3人/km²。日本の約4倍の広さに350万人。国連加盟国の中で人口密度がいちばん低い国
- オーストラリア: 3.5人/km²。人口54位なのに面積は6位。内陸には乾燥した地域が広く、人は海岸沿いに多く住んでいる
- アイスランド: 3.8人/km²。北海道より少し広い島に、39万人
- カナダ: 4.1人/km²。面積は2位なのに、密度では下から7番目
面積が大きい国ほど密度の順位が下がりやすい、というパターンがここでも見える。試しに「面積 (km²)」の列で大きい順に並べたあと、「人口密度 (人/km²)」の列を目で追ってみると、上位10か国のうち8か国が1km²あたり2ケタ以下の数字なのがわかるよ(例外は中国とインド)。
自分でも確かめてみよう
データテーブルで「国連加盟国」のボタンを押してから、「人口」「面積 (km²)」「人口密度 (人/km²)」の列見出しを順にクリックするだけで再現できるよ。気になる国の行をクリックすると比較パネルが開くので、そこで「人口密度 (人/km²)」のボタンを押すと、棒グラフで並べて見ることもできる。
データテーブルを開く →出典と計算方法
- 人口: World Bank SP.POP.TOTL、2024年値(2026年3月23日取得)。サイトの保存データ(country_database.json)の値
- 面積: RestCountries の area をもとにしたサイトの保存データ(country_database.json、2026年9月15日更新)。面積そのものの基準時点は資料により異なる
- 計算方法: 人口密度は、保存データの人口 ÷ 面積を筆者が計算した値(World Bank の人口密度の指標をそのまま写したものではない)。順位は丸める前の値で並べ、表では1km²あたり10人以上を整数、10人未満を小数第1位に丸めて表示した
- 順位は、国連加盟国193か国の中で数えた(193か国すべてに人口・面積の値がある。マカオ・香港などの地域は含まない)
- 数字の確認日: 2026年9月24日
まとめ
人口ランキングと人口密度ランキングは、別の物差し。人口は「国にいる人の数」、密度は「1km²あたりに平均で何人いるか」で、後者は面積の小さい国が上位に多く入る。だから国連加盟国の中で、人口1位のインドが密度では17位、密度1位のモナコが人口では188位という、ねじれが起きる。
「人が多い」というひとことも、何で割るかで意味が変わる。ニュースで「人口密度が高い」と聞いたら、割る数の面積がどれくらいなのか、テーブルで確かめてみると発見があるかも。