まず、平均寿命で並べてみる
平均寿命は「その年に生まれた子が、その年の死亡率(それぞれの年齢の人が亡くなる割合)がずっと続いたとしたら、平均で何歳まで生きるか」という数字。データテーブルで「国連加盟国」に絞ってから、「平均寿命」の列見出しをクリックして、大きい順に並べる。
手順
- 世界版のデータテーブルを開き、「国連加盟国」のボタンを押す
- 「カラム」で「暮らし」を選ぶ
- 「平均寿命」の列見出しをクリックして、大きい順に並べる
- 「一人当たりGDP」の列も一緒に見ておく
| 順位 | 国 | 平均寿命 (歳、2024年) |
|---|---|---|
| 1 | 🇲🇨 モナコ | 86.5 |
| 2 | 🇸🇲 サンマリノ | 85.8 |
| 3 | 🇰🇼 クウェート | 84.6 |
| 4 | 🇨🇭 スイス | 84.4 |
| 5 | 🇱🇮 リヒテンシュタイン | 84.2 |
| 6 | 🇦🇩 アンドラ | 84.2 |
| 7 | 🇸🇪 スウェーデン | 84.1 |
| 8 | 🇯🇵 日本 | 84.0 |
| 9 | 🇮🇹 イタリア | 84.0 |
| 10 | 🇪🇸 スペイン | 83.9 |
| 11 | 🇰🇷 韓国 | 83.6 |
表の値は小数1桁に丸めてある。順位は、丸める前の元の値(小数点以下3桁以上)で決めた。たとえば日本は84.036歳、イタリアは83.951歳で、日本のほうが上。リヒテンシュタイン(84.2歳)とアンドラ(84.188歳)も同じ考え方で決めた。データテーブルも同じ元の値で並べ替えている。
日本は84.0歳で8位。イタリアとは0.1歳も違わない。「世界一」ではないけれど、人口1億人を超える国の中では日本がいちばん上だ。
上位を見ると、モナコ(人口3.9万人)、サンマリノ(3.4万人)、リヒテンシュタイン、アンドラと、人口の少ない国が目立つ。小さな国は、ちょっとした人数の違いで平均が動きやすい。
国連加盟国ではない地域も入れて数える場合(「すべて」のフィルタ、値がある215の国と地域): 香港(85.4歳)が3位、フランス領ポリネシア(84.2歳)が7位に入り、日本は10位になる。このサイトは「国と地域」を並べているからだ(→ W0009)。この記事の順位は、国連加盟国193か国の中で数えたもの。
いちばん下は?
下から5つは、ナイジェリア54.6歳、チャド55.2歳、中央アフリカ共和国57.7歳、南スーダン57.7歳、レソト57.8歳。1位のモナコとは30歳以上の差がある。
「お金持ちの国ほど長生き」は本当?
一人あたりGDP(W0005で説明した「一人あたりの経済活動の大きさ」)と並べてみる。
| 国・地域 | 平均寿命 (歳) | 一人あたりGDP (ドル、2024年) |
|---|---|---|
| 🇨🇭 スイス | 84.4 | 103,998 |
| 🇭🇰 香港 | 85.4 | 54,075 |
| 🇮🇹 イタリア | 84.0 | 40,385 |
| 🇯🇵 日本 | 84.0 | 32,487 |
| 🇰🇷 韓国 | 83.6 | 36,239 |
| 🇺🇸 アメリカ | 78.9 | 84,534 |
| 🇨🇷 コスタリカ | 81.0 | 18,587 |
| 🇨🇳 中国 | 78.0 | 13,303 |
| 🇮🇳 インド | 72.2 | 2,695 |
| 🇳🇬 ナイジェリア | 54.6 | 1,084 |
発見 — 低い側では関係がはっきり。高い側では順番が一致しない
この表では、一人あたりGDPが低い国は平均寿命も短い傾向がある。インドやナイジェリアがそうだ。でも、一人あたりGDPが高い国どうしでは、一人あたりGDPの順番と寿命の順番は同じにならない。
- アメリカ: 一人あたりGDPは日本の2.6倍なのに、平均寿命は78.9歳で日本より5歳短い
- コスタリカ: 一人あたりGDPは日本の6割以下なのに、平均寿命は81.0歳でアメリカより長い
- 日本: 表の中では一人あたりGDPが中くらいなのに、寿命は最上位グループ
「所得が高い国ほど長生きの傾向があり、高い所得の国どうしでは関係がゆるやかになる」というのは、多くの研究で見られる傾向だ(出典欄の World Bank の資料を参照)。ただし、この表は選んだ10か国の、ある1年の一人あたりGDPを並べただけ。この表だけで、寿命の原因まではわからない。医療のしくみ、食事、事故や犯罪の少なさ、格差の大きさなど、いろいろな要因が考えられる。
この数字から読み取れないこと
- 「平均」寿命: 今生きている人が何歳まで生きるかの予想ではない。「2024年の死亡率が続いたら」という計算上の数字
- 男女の差: この列は男女合計。日本では女性のほうが6歳ほど長い(厚生労働省の簡易生命表では、男性81.09歳、女性87.13歳)
- 小さな国の順位: 人口数万人の国は、少ない人数の変化で平均が動く。1位と8位の日本の差(約2.5歳)を「国の実力の差」と読むのは早い
- 推計値: World Bank の値は、各国の統計と国連の推計(資料から計算して見積もった値)をもとにしたもの。国によっては精度に差がある
自分でも確かめてみよう
「国連加盟国」のボタンを押して、「カラム」で「暮らし」を選び、「平均寿命」で大きい順に並べたあと、「一人当たりGDP」でも並べ替えてみて。2つの順位が大きく違う国を探すと、アメリカやコスタリカのような「例外」が見つかる。比較グラフを出すには、比べたい国の行をクリックして選び、表の下に出る「選択した国と地域を比較」で「平均寿命 (歳)」を選ぶ。
データテーブルを開く →出典と計算方法
- 平均寿命: World Bank SP.DYN.LE00.IN(Life expectancy at birth, total)。2024年値、2026年9月15日取得。順位は国連加盟国193か国の中で(193か国すべてに値がある)、丸める前の元の値を使って数えた。香港などの国連非加盟地域は順位に入れていない
- 一人あたりGDP: World Bank NY.GDP.PCAP.CD、2024年値(2026年3月23日取得)
- 人口: World Bank SP.POP.TOTL、2024年値(2026年3月23日取得)
- 男女差: 厚生労働省 令和6年簡易生命表
- 所得と寿命の関係(一般的な傾向): World Bank Unlocking the Power of Healthy Longevity(2024)
- 定義・出典リンクの確認日: 2026年9月15日
- 確認日: 2026年9月24日(順位を国連加盟国193か国の中で数え直した)
まとめ
国連加盟国193か国を平均寿命で並べると、日本は84.0歳で8位。1位はモナコの86.5歳。上位には人口の少ない国が多く、人口1億人以上では日本がいちばん上だ。
一人あたりGDPと並べると、低い側でははっきり関係があるけれど、高い側ではアメリカとコスタリカのように順番が入れ替わる。お金は寿命を考える材料の1つで、全部ではない。