データ一覧で、最低賃金を並べる
手順
- 日本版の「データ一覧」を開く
- 列の見出しの「最低賃金(円/時)」をクリックする。高い順に並ぶ
- もう一度クリックすると、低い順になる
最低賃金は、会社などが働く人に払わないといけない賃金の、いちばん低い額。都道府県ごとに、毎年決め直されている。
| 高い順(令和8年度) | 時給 | 低い順 | 時給 |
|---|---|---|---|
| 1 東京都 | 1,280円 | 宮崎県 | 1,085円 |
| 2 神奈川県 | 1,279円 | 高知県 | 1,086円 |
| 3 大阪府 | 1,231円 | 沖縄県 | 1,086円 |
| 4 埼玉県 | 1,196円 | 長崎県 | 1,087円 |
| 5 千葉県・愛知県 | 1,195円 | 青森県・岩手県・秋田県・鳥取県・鹿児島県 | 1,090円 |
令和8年度は、47都道府県のうち29で最低賃金が1,100円以上になった。1つ前の令和7年度は、1,100円以上は8都府県だけだったんだ。1,200円を超えたのは東京都・神奈川県・大阪府の3つ。全国の加重平均(働く人の数で重みをつけた平均)は1,177円(令和7年度は1,121円)。
25年度分を並べると
グラフで、いちばん高い都道府県といちばん低い都道府県の最低賃金を、平成14年度(2002年度)から令和8年度まで並べてみた。25年度分のデータで、いちばん高いのはずっと東京都(平成20年度は神奈川県と同じ額)。
| 年度 | 最高 | 最低 | 差(円) | 最高÷最低 |
|---|---|---|---|---|
| 平成14年度(2002) | 708円 | 604円 | 104円 | 1.17倍 |
| 平成18年度(2006) | 719円 | 610円 | 109円 | 1.18倍 |
| 平成26年度(2014) | 888円 | 677円 | 211円 | 1.31倍(最大) |
| 平成30年度(2018) | 985円 | 761円 | 224円(最大) | 1.29倍 |
| 令和7年度(2025) | 1,226円 | 1,023円 | 203円 | 1.20倍 |
| 令和8年度(2026) | 1,280円 | 1,085円 | 195円 | 1.18倍 |
発見 — 2つの「差」は、ピークの年が違う
差の測り方は2つある。
- 円の差(最高 − 最低): 平成14年度の104円から、おおむね広がり続けて、平成30年度に224円でいちばん大きくなった。その後はおおむね縮み、令和8年度は195円(令和5年度だけは、前の年度より1円広がった)
- 何倍か(最高 ÷ 最低): 平成14年度の1.17倍から、平成26年度の1.31倍がいちばん大きい。そこからは毎年縮んで、令和8年度は1.18倍。平成18年度(1.18倍)と同じくらいまで戻った
平成26年度から平成30年度のあいだは、円の差は広がっているのに、何倍かは縮んでいる。どちらも本当のことなんだ。全体の額が上がっていくと、同じ「何倍か」でも円の差は大きくなる。だから、全体が上がっている時期に円の差だけを見ると、差が広がっているように見えやすい。
最近は、低い県のほうが大きく上がった
令和7年度から令和8年度への上がり幅を見ると、いちばん大きかったのは佐賀県の+65円、次が鹿児島県の+64円、高知県・沖縄県の+63円。東京都は+54円で、これは47都道府県でいちばん小さい上がり幅だった(神奈川県・大阪府も同じ+54円)。
低い県が高い県より大きく上がると、円の差も何倍かも縮む。令和8年度に差が縮んだのは、このためなんだ。
この数字から読み取れないこと
- いつから使われるか: 令和8年度の新しい額が使われ始める日(発効日)は、都道府県ごとに違う。早いのは東京都・北海道など15都道府県の2026年10月1日、遅いのは岩手県・熊本県の12月1日と沖縄県の12月2日。47のうち37の都道府県が10月中、7府県が11月、3県が12月だ。この記事のデータを取った10月2日の時点では、まだ令和7年度の額が使われている府県が30ある。「令和8年度の額」でも、同じ日に一斉に上がるわけではない
- 実際にもらっている給料: 最低賃金は「これより下げてはいけない」額。実際の時給や月給の平均ではない
- 暮らしやすさ: 家賃や物の値段は地域で違うので、最低賃金の差がそのまま暮らしの差になるわけではない。この記事のデータには、地域ごとの物価は入っていないよ
さらに比べてみる
- 平成14年度からの上がり方は、東京都が708円→1,280円で約81%、沖縄県が604円→1,086円で約80%。上がった割合は、平成14年度から令和8年度までで見ると東京都のほうが少し大きい
- 1人あたりの県民所得(企業の所得なども含めた平均)も、データ一覧で比べられる。最低賃金の順位と見比べてみよう
- 世界の国の賃金の比べ方は、世界版の W0012 と W0016 で見ている
自分でも確かめてみよう
データ一覧で東京都・沖縄県・高知県などにチェックを入れて「グラフを生成」を押し、指標を選んで「表示する」を押す。グラフの上のボタンで「最低賃金」を選ぶと、下のグラフで平成14年度からの動きが比べられる。
4つの都県の最低賃金を開く →出典と計算方法
- 令和8年度の最低賃金と発効日・全国加重平均: 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和8年度、PDF、2026年10月2日取得)。表の見出しは「答申された改定額」
- 平成14年度〜令和8年度の最低賃金: 厚生労働省「平成14年度から令和8年度までの地域別最低賃金改定状況」(Excel、2026年10月2日取得)。令和7年度までの発効日は、前の版(平成14年度から令和7年度まで、2026年9月25日取得)の値を使った(新しい版では6県の令和7年度の発効日の年が2025年になっていて、令和7年度の全国一覧と合わないため)
- 最低賃金の制度: 厚生労働省「最低賃金制度」(最低賃金特設サイト)
- 計算方法: 最高・最低・差・倍率・上がり幅は、保存データ(japan/prefectures_timeseries.json)から筆者が計算した。倍率は小数第2位で表示した(丸める前の値で最大の年度を選んだ)
- 確認日: 2026年10月2日
まとめ
最低賃金の地域差は、円の差なら平成30年度、何倍かなら平成26年度がいちばん大きく、令和8年度はどちらも縮んだ。最近は、低い県のほうが大きく上がっているからだ。
「差が広がった」「縮んだ」という話を聞いたら、それが「円の差」なのか「何倍か」なのかを確かめてみよう。同じデータでも、測り方しだいで答えが変わることがあるんだ。