データ一覧で、2つの列を並べ替える
手順
- 日本版の「データ一覧」を開く
- 列の見出しの「合計特殊出生率」を2回クリックする。小さい順に並んで、東京都がいちばん上に来る
- 次に「転入超過数」の見出しをクリックする。大きい順に並んで、ここでも東京都がいちばん上だ
合計特殊出生率は、15〜49歳の女性の年齢ごとの出生率を、その年について足し合わせた値。その年の産み方が続いたとしたときの、女性1人あたりの子どもの数にあたる。転入超過数は、ほかの都道府県から引っ越してきた人の数から、出ていった人の数を引いたものだよ。
| 合計特殊出生率(2024年) | 転入超過数(2025年、日本人) | ||
|---|---|---|---|
| 47位 東京都 | 0.96 | 1位 東京都 | +65,597人 |
| 46位 宮城県 | 1.00 | 2位 神奈川県 | +18,524人 |
| 45位 北海道 | 1.01 | 3位 大阪府 | +17,489人 |
| 44位 秋田県 | 1.04 | 4位 千葉県 | +16,088人 |
| 43位 京都府 | 1.05 | 5位 埼玉県 | +12,529人 |
| 全国 1.15 / 1位 沖縄県 1.54 | 転入超過は7都府県だけ | ||
東京都の合計特殊出生率は、表にある年の中では2023年(0.99)に初めて1を下回り、2024年は0.96とさらに下がった。全国の1.15より、0.19低い。
2つを1枚の図に並べると
47都道府県を、横に合計特殊出生率、縦に転入超過数をとって並べてみた。
東京都だけが、左上にぽつんと離れている。出生率はいちばん低く、転入が転出を上回った人数はいちばん多い。反対に、出生率がいちばん高い沖縄県(1.54)は右下で、転入超過数は−804人。出ていく人のほうが少しだけ多い。
ほかの道府県は、ほとんどが0のまわり(少しだけマイナス)に集まっている。2025年に転入超過だったのは、東京都・神奈川県・大阪府・千葉県・埼玉県・福岡県・愛知県の7都府県だけだった。
発見 — 転入超過の中心は、15〜29歳
転入超過数は、年齢ごとにも公表されている。東京都の2025年の数字を、年齢で分けてみよう。
| 東京都の転入超過数(2025年、日本人) | 人数 |
|---|---|
| 0〜4歳 | −2,564人 |
| 15〜29歳 | +91,237人 |
| (うち20〜24歳) | +58,014人 |
| 30歳以上の合計 | −23,352人 |
| 全部の年齢の合計 | +65,597人 |
東京都の転入超過は、15〜29歳の若い人が中心。全部の年齢を合わせた+65,597人より、15〜29歳だけの+91,237人のほうが多いんだ。いちばん多いのは20〜24歳で、進学や就職のタイミングだね。15〜29歳の転入超過は、女性が+45,948人、男性が+45,289人で、ほぼ同じくらいだ。
一方で、30歳以上はまとめると出ていく人のほうが多く、0〜4歳の小さな子どもも出ていく側(−2,564人)。小さな子どもは1人で引っ越さないから、子どものいる家族が東京都から出ていっていることがうかがえる(どこへ引っ越したかは、この表からは分からない)。
引っ越しと出生率は、どう関係する?
合計特殊出生率は、女性が住んでいる場所で数える。そして年齢ごとの出生率を足し合わせて計算するから、若い女性がたくさん引っ越してきて人数が増えた、というだけでは値は下がらない。厚生労働省も、女性の年齢構成の違いを除いた値だと説明しているよ。
ただ、同じ年齢の女性でも、結婚や出産の時期、引っ越しの事情が違えば、出生率は変わり得る。でも、この記事の2つの統計には、一人ひとりが「いつ引っ越して、いつ子どもが生まれたか」は入っていない。県の外へ引っ越した人は、出生率を計算するときの人数からも外れる。だから、東京都の出生率が低い原因が引っ越しなのか、どれくらい影響しているのかは、このデータからは判断できないんだ。結婚する年齢や、住まいの広さ、働き方など、ほかにもいろいろな理由が言われている。
出生率が低いほうには、宮城県(1.00)・北海道(1.01)・京都府(1.05)のように、仙台市・札幌市・京都市といった大きな町を持つ道府県も並んでいる。でも秋田県(1.04)のように、そうではない県もある。低い理由は、県によって違いそうだね。
東京から人が出ていった時代もあった
転入超過数の時系列を見ると、東京都は1967年から1996年まで、1985年を除いて毎年転出超過(出ていく人のほうが多い)だった。転出超過がいちばん大きかったのは1973年で、−172,764人。1997年からは、また毎年プラスが続いている。
人が東京に集まるかどうかは、いつの時代も同じというわけではない。グラフで「転入超過数」を選ぶと、1954年からの動きが見られるよ。
この数字から読み取れないこと
- 原因: 出生率が低いことと、人が集まることは、同じ東京都で起きているけれど、片方がもう片方の原因だとは、このデータからは言えない
- 一生に産む子どもの数: 合計特殊出生率は、その年の年齢ごとの出生率を足した値。実際に1人の女性が一生のうちに産んだ子どもの数を数えたものではない
- 外国人の動き: この記事の転入超過数は日本人だけ。外国人を含めた東京都の転入超過数(2025年)は+65,219人で、日本人だけの値とは少し違う
- 年のずれ: 合計特殊出生率は2024年、転入超過数は2025年の値。2025年の人口動態統計(確定数)は2026年9月30日に公表されたけれど、合計特殊出生率などの率は、まだ「…」(未公表)になっている(2026年10月1日確認)
さらに比べてみる
- 2025年の国勢調査で、5年前より人口が増えたのは東京都だけ(→ J0002)
- 沖縄県は出生率がいちばん高いのに、2025年の国勢調査では人口が少し減った。15〜29歳は出ていく人のほうが多い(−2,681人)けれど、30歳以上は入ってくる人のほうが多い(+1,786人)
- 高齢化率のいちばん低い2つも、東京都と沖縄県(→ J0003)
自分でも確かめてみよう
データ一覧で東京都・沖縄県・宮城県などにチェックを入れて「グラフを生成」を押し、指標を選んで「表示する」を押す。グラフの上のボタンで「合計特殊出生率」や「転入超過数」を選んでみよう。下のグラフで、何十年分もの動きが見られる。
東京都・沖縄県・宮城県の転入超過数を開く →出典と計算方法
- 合計特殊出生率: 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」上巻 第4.5表「都道府県別にみた年次別合計特殊出生率」(2026年9月25日取得)。表の注のとおり、全国は母の年齢15〜49歳の各歳の出生率の合計、都道府県は5歳階級の出生率の5倍の合計(国勢調査の年などは各歳)。2024年の値の分母は日本人の人口。表の年は1960年〜2005年が5年ごと、2007年からは毎年
- 転入超過数: 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」第3-3表(年齢5歳階級・男女別、日本人移動者)、長期時系列表 第5表(1954年〜)。都道府県の外との移動だけで、外国との移動は含まない(2026年9月25日取得)
- 計算方法: 15〜29歳・30歳以上の合計は、第3-3表の5歳ごとの値を筆者が足した。順位は47都道府県の中で数えた
- 確認日: 2026年10月1日
まとめ
東京都は、合計特殊出生率がいちばん低く(0.96)、転入超過数がいちばん多い(+65,597人)。転入超過は15〜29歳が中心で、0〜4歳の子どもや30歳以上はむしろ転出超過になっている。
2つの数字が同じ場所で目立つと、つい「だから」とつなげたくなる。でも、数字が教えてくれるのは「何が起きているか」まで。「なぜか」を考えるときは、年齢や期間を分けて、もう一段深く見てみよう。